Jul 09,2025
小さな装備、大きな効果、医療安全のための必須アイテム
医療従事者の標準装備といえば、まず「白衣」を思い浮かべ、次に「聴診器」と「マスク」が続きます。しかし、日常の緊張感と忙しさの中で、不可欠な防護具がもう一つあります。それは「医療用手袋」です。
なぜ医療用手袋を着用する必要があるのでしょうか？
Journal of Hospital Infection誌によると、院内感染の原因となる病原体の40～60％は内因性病原体、20％は汚染された環境、約20～40％は医療従事者の汚染された手によるものです。医療従事者は、血液、分泌物、排泄物、不完全な皮膚など、感染性病原体を保有する可能性のある物質に頻繁に触れます。少しの不注意で、病原体の伝播と拡散を引き起こす可能性があります。そのため、適切な手洗いと医療用手袋の着用は、病原体の伝播を予防・抑制し、院内感染発生率を低下させるための最も基本的で、簡単で、効果的な対策となります。
では、医療従事者が着用する手袋はすべて同じなのでしょうか？どのような違いがあるのでしょうか？
医療用手袋の分類方法について教えてください。
医療用手袋は、使用状況に応じて、主に手術用手袋と診察用手袋に分類されます。
手術用手袋
手術用手袋は、個包装され、厳格な滅菌処理が施されています。手に完璧にフィットし、快適な装着感で、様々な手術、中心静脈カテーテル挿入、全腸管外栄養液の調製などの外科手術に広く使用されています。皮膚の垢や細菌が開放創に伝播するのを防ぎ、手術患者の体液が医療従事者に伝播するのを防ぎ、医療従事者と患者の双方に双方向の生物学的保護を提供します。
診察用手袋
診察用手袋には、滅菌タイプと非滅菌タイプの2種類があり、主に患者の口腔や皮膚表面の検査、血液、体液、分泌物、排泄物、体液で汚染された物品への直接的または間接的な接触に使用されます。日常の検査や看護などに適しており、医師と患者間の交差感染を効果的に防ぎます。
医療用手袋にはどのような材質がありますか？
手袋の材質によって、ラテックス手袋、ニトリル手袋、ポリ塩化ビニル（PVC）手袋、ポリエチレン（PE）手袋などに分類されます。
ラテックス手袋 天然ゴムから作られており、優れた弾力性と柔軟性を持ち、手にぴったりとフィットし、繊細な感触を提供します。ただし、ラテックス手袋の天然ラテックス成分は、一部の人にアレルギー反応を引き起こす可能性があります。
ニトリル手袋 ラテックスアレルギーの人にとって優れた代替品であり、優れた抗菌浸透性、耐酸性・耐アルカリ性、耐薬品性を備えています。また、装着が容易で操作性も高く、優れた耐久性と耐穿刺性を備えているため、医療ケア、医療検査、歯科医院などで広く使用されています。
ポリ塩化ビニル（PVC）手袋 ラテックス手袋やニトリル手袋に比べて比較的安価で、優れた弾力性と遮断性を備えています。弱酸や弱アルカリにもある程度の耐性があり、簡単な医療検査や看護操作に適しています。
ポリエチレン（PE）手袋 優れた防水性と弾力性を備えています。重要な医療現場ではない場合や、コスト管理が厳しい医療環境で使用されることが多いです。
医療用手袋は、医療安全において不可欠な役割を果たしています。医療従事者の頼もしい助手であると同時に、患者の健康を守る堅固な守護者でもあります。そのため、医療用手袋の適切な選択と使用は、医療従事者と患者の双方の安全を守る上で非常に重要です。医療従事者は、手術、検査、看護など、操作の具体的なニーズに応じて、適切な種類と材質の手袋を選択し、手袋のサイズが適切で、装着方法が正しいことを確認して、防護効果を最大限に発揮する必要があります。また、手袋の破損や汚染後に使い続けることを避け、定期的に手袋を交換することも、医療安全を確保するために不可欠です。
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